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2016-09-12

丁寧な子育ては、甘やかしではありません。

ちょっとだけ丁寧に、その子に合った伝え方をして、声かけの言葉を選んだり、絵や図や箇条書きで説明したり、使いやすい道具を与えたり、親が一緒にやったりして、ハードルを下げて、だんだんと自分でできるようにしていくことは、決して甘やかしではありません。

むしろ、「かあちゃんが、今はつき合ってやるから、自分でできるようになってね」というメッセージであり、「嫌なこと、面倒なことはやらなくていいよ」とは言ってあげないので、うちの子達からは「かあちゃんの鬼ババア!」と、よく、ぶーぶー言われます(笑)

うちのトイレにも「声かけ変換表」と「凸凹変換表」。


甘やかしとサポートの区別は
私は、「子ども本人にしかできないこと」を親がしていたら「甘やかし」ですが、それ以外は全て「サポート」だと判断しています。
(著書「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」p263より) 
と、思っていますが、それに加えて、「ほっておく、見て見ぬフリをする」というのも甘やかし だと思っています(まあ、時々は、片目をつぶることもあります^-^;)。

その子の持っている力を信じて、離れて見守ることと、
なんでも許して好き勝手にさせることは、全く違います。

子どもが、大人になった時に必要な、社会でなんとか生きて行くために必要な、知識やスキルを身につけさせない、ルールやマナーを守ることや、失敗の経験を積ませない、ガマンや妥協をすることを教えないということは、「いつまでも子どもでいなさい」というメッセージと同じであるのと同時に、親の諦めや、無関心や、疲れや、子どもの存在の受け容れの拒否が背景にあるのではないかと思います。

発達障害のある・なしに関らず、また親の仕事のある・なしに関らず、適切で充分な親の関わりを得られないまま、ほっとかれた子は、一見大人びていますが、内面にいつまでも成長できないところがあって、精神面での凸凹差が激しく、周りからは見えにくい問題を抱えやすいのではないかと思います。

私は、子どもに無関心で放置する親をかばう気は全くありませんが、「なぜ適切に関れないのか」という理由までも、身を以て想像できる人は、とても少ないのだと思います。

もしかしたら、一生懸命できる限り子どもに関わり、口を酸っぱくして何度も繰り返し注意して、それでもうまくいかない、できるようにならない、すぐに忘れて同じことを繰り返す、がんばってもがんばってもどうにもならない、誰も助けてくれない…そんなことの蓄積で最終的に、疲れきってしまって、「諦めて、ほっておく」という選択に辿り着いてしまう場合もあるかもしれません。

そんなお母さんは、決して子育てをがんばってこなかったわけではないと思いますよ。

私も、その子に合った接し方のコツがある、ということに気づくまでは、子育てに力尽きそうになって、疲労困憊し、その辺りをうろうろしていました。

でもね、ちょっとだけ丁寧に、ほんの少し言い方を伝わりやすいように換えたり、その子に合わせた方法で工夫して教えたり、教えたことを忘れないように紙に書いておくだけで、できるようになることは、沢山あるんです。

そして、親子で自信がつけば、だんだんと子どもから離れて見守ることができるんです。

でも、現実の、今そこにいる、子ども本人の姿を見ないようにしていては、その子に合った方法に気づけません。

今現在の子どもの姿を受け容れ、よく観察し、本人の話を否定せずに聴いてみることで、見えて来ることがあります。

(できれば、子どもと適切に関れない親のほうも、誰かに話を否定せずに聴いてもらったり、人の力を借りながら、少し休んだりすることで、現実の子どもに目を向けられるかもしれません。私も、「最近子どもを見ようとしていないな」と感じたら、疲れている証拠と思って、できる範囲で休むようにしています)

もちろん、全ての子に、ここまで丁寧に教える必要はないかもしれません。

親の愛情さえ伝わっていれば、周りや失敗から学び、自然と伸びてゆける子もいます。

でも…

「周りを見て、自然と学ぶ」が苦手な子はいます。

「がんばっても、不器用でできない」子もいます。

「教えられたことを、思い出せない、臨機応変に応用できない」子もいます。


こういった個性を持った子には、「ほっておけば、自然と学ぶ」「がんばれば、できる」「失敗すれば、自分で気づく」は通用しません。

丁寧な子育ては、甘やかしではありません。

「鬼ババア」で結構!

面倒な現実があるけれども(時々は逃げて休みつつも)、子どもから目を背けずによく見て向き合い、ちょっとだけ丁寧に、寄り添ってつき合うことで、結果的に、だんだんと手を離してゆけるんです。

そして、どんなに頑張っても、どんな子の子育てでも、「完璧」「絶対」はありません。
うちの子だって、私の望んだとおりになんて、ちっとも育っていきません。

どう育てるかは親が決められますが、どう育つかは子が決めることなんです。

でも、逆に言えば…

どう育つかは子が決めることだけど、どう育てるかは親が決められます。

親にできること、親にしかできないこと、沢山あります。決して、無力ではありません。

だから、私も、今、できることを、できる範囲でやっていくだけなんですよね。

(でも、お母さんの努力だけで、子どもの問題の全てを解決することも不可能なので、上手に周りを頼りながら、お子さんにできないことがあっても、あまりご自身だけを責めないようにして下さいね。親にできることはあっても、全部一人でなんとかしようとしてしまうと、ノイローゼになります!責任感の強い方ほど、時々サボりましょうね^-^)

もしかしたら、今現在、毎日一生懸命子育てをしているお母さんの中には、実際に難しい子育てを経験したことのない方からの、無責任な発言に傷ついてしまうこともあるかもしれませんが、目の前の子を見て、一年前、二年前の本人と比べて、少しでもできることが増えているのなら、自信を持って下さいね(^-^)



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★日常生活で使える声かけを多数掲載★

丁寧な子育てのコツが108コ分かる!




2016-09-08

オリジナルではない「声かけ変換表」画像が拡散していることについての、私の見解

「Twitterに投稿された、小児科さんに掲示されている、オリジナルではない「声かけ変換表」の画像が拡散し、各種ネットメディアで取り上げられている」とのことで、多数のファンの皆様やフォロワーさんからのご報告とご心配、同時に励ましのメッセージも頂き、感謝しております。

ツイートで画像を投稿された一般の方のアカウントは、既に削除のご対応を頂いておりますし、おそらくは、私が作成した、元のオリジナルの「声かけ変換表」をご存知なく、(できれば、小児科さんに確認の上で撮影・ご投稿されると良いかとは思いますが)知らずに善意で広めて下さったことと思います。

また、小児科さんのほうも、もしかしたら、私に事前に掲示の許可を取っていたり、投稿された写真に写っていない場所に、HPのURLなどをご提示下さっている可能性もないとは言えず、画像の情報だけでは「無断」かどうかは判断できませんし、また、私のHPから配布されているオリジナルの変換表ではなく、新たにほぼ同じ内容のものを作り直して掲示された理由も、オリジナルにはクレジットにFacebookページ名の「発達障害 アイデア支援ツールと楽々工夫note」と入っておりますので、小児科という場所柄、「発達障害」という言葉が不用意にお母さん方にご不安を与えないよう、配慮をなされた結果の可能性もあります。
(万が一、現在、情報ソースをご提示頂いていない場合は、http://www.rakurakumom.com をどこかに書いておいて頂ければ、院内でのご利用には全く問題ございません)

このようなことから、善意でお子さんに伝わりやすい声かけを広めて下さっている、一般の投稿者さんと、こちらの小児科さんには、私が、今後何か申し上げることはございませんのでご安心下さい。

ただし、ネットメディア等で、情報元を確認しないまま、ツイートを引用したオリジナルではない類似の画像が、元の「声かけ変換表」以上に拡散してしまうと、私の著書や日々の情報発信の信頼性を損なう可能性もありますし、また、情報商材として、アフィリエイト・サイトなどのアクセス数を稼ぐツールに利用されてしまうのは、オリジナルの「声かけ変換表」のイメージダウンにもつながり、著者・制作者として、とても困りますので、こちらは、著書の出版元のポプラ社さんより、ネットメディアで不適切な使用の可能性がある場合には、情報元を確認して頂けるように、ご対応して頂けるとのことです。

(また、「ちゃんとした」ネットメディアの方は、情報ソースを確認した上で、私のほうに直接ご連絡下さり、紹介記事での変換表の掲載の許可を、正式にお申し入れ下さっています)

↓ちゃんと画像の使用許可のご連絡を頂いたメディア様。

CuRAZY記事「【走るな!→歩こうね】ママさん必見の「声かけ変換表」が子育てにめちゃ役立つ」

ご心配下さっている皆様のお気持ちは大変有難く、今後の制作の励みにさせて頂きます。

また、ネットメディアで「声かけ変換表」が拡散されている先でも、コメント等で様々なご意見があり、「子どもの顔色をうかがって、甘やかしでは?」といった反応も見られますが、この点については、私も思う所がありますので、近日このブログで、私の考え方をご回答させて頂きます。

そして、今回の件に限らず、「声かけ変換表」は、最初の投稿から2年以上が経過した今でも、毎日のように、小児科さんや学校の先生、親の会などの方から、「配布していいですか?」と言ったお問い合わせを頂き、支援の現場でも広まって定着してきて、その先に、一回でも怒られる回数が減ったお子さんがいるというのは、本当に嬉しい限りです。
(商業利用以外は、内容を改変せずに、情報ソースをご提示頂ければ、私に直接許可を得なくても大丈夫ですので、ご自由にお使い下さい)

それから…

別の方が、著名・無名問わず、声かけ例を表にしたり、Before→After形式で、内容を少し変えて、著作権の侵害に当たらない範囲で、著書や雑誌の記事、ブログなどで、私の「声かけ変換表」によく似た表現で、ご自身のアイデアとして掲載されているのも、多々お見かけする機会も増えました(できれば、「参考書籍」や「参考サイト」と言った形で、ご紹介頂けると嬉しいです)。

当初は、こういったことにも、イチイチ腹を立ててプンプン怒っていた、心の狭い私ではありますが(笑)、あの長男に、

「かあちゃん、マネされるってことは、それだけ人気があるってことだよ。
ナポアン(長男の尊敬する、マインクラフト関連のカリスマブロガーの方)と同じで、超助かってる人がいっぱいいるんだね」

…と、肯定的な表現に変換されて、なだめられている始末です。
うちの子にも、ちゃんと、受け容れ易い伝え方のコツが届いていますね(^-^;)

変換表に限らず、「持っているノウハウは、超具体的にリアルタイムで全出し!」方針で発信を続けている私は、毎日の子育ての積み重ねの中で生まれたアイデアや、デリケートな育児をされているお母さんに届くように、身を削って書いている文章の表現が、いとも簡単にコピーされてしまうと、正直、時々うんざりしてしまって、創作意欲が落ちたり、発信する勇気が削がれたりすることもあります。

また、情報発信と著書や記事の執筆、支援ツールの制作を、日々の育児・家事の傍ら続けていますが、私は大人の凸凹さんとして、同時進行がとても苦手なので、すごく気になることがあったり、「あれもこれもやらなくては」と思ってしまうと、不注意性が増して、うっかり炊飯ジャーのスイッチを入れ忘れたり、処理速度のキャパシティオーバーで、イライラしてショートしたり、ぼーっとフリーズしてしまったり、原稿の執筆が遅れたり、と、家族やお仕事方面の方に迷惑をかけまくってしまっています。

それでも、ポプラ社の担当編集さんや、寄稿先の発達ナビ編集部さんは、細かなことをいろいろと申し上げる私に、根気よく丁寧につき合って下さいますし、
疲れたり、落ち込んでいるときは、読者の皆様から頂いた嬉しいメッセージや、Facebookのいいね!やコメントを、何度も読み返して、気持ちを改めることができますし、
子ども達とパパは、毎日早朝から執筆作業をしている私を応援してくれ、時々ご飯が炊けてなくても、ぶつぶつ言いながらもガマンしてくれているので、なんとか活動を続けることができています。

人に恵まれて、私は幸せだと思います。

本当に、おかげさまです。いつも応援ありがとうございます。



楽々かあさんこと、大場美鈴



追伸:今これから、(おそらくは最後になる)最新の「声かけ変換表」を作りますね!
「声かけ変換」は、単なる伝え方のコツだけではありません。これで、二年以上かけて貼りまくった伏線を回収します。Facebookページ「発達障害 アイデア支援ツールと楽々工夫note」で近日公開予定です。お楽しみに♪


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★「声かけ変換表」は勿論、日常生活で使える声かけも多数掲載★