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2016-08-28

正しいことを言うことが、ベストとは限らない


巷ではポケモンGOが流行っていて、歩きスマホをしている人の事故などが問題になっているようですね。うちはスマホないのでやっていませんが、子ども達は登校日に学校から啓発用のプリントなど、頂いてきました。

これ、ポケモンだけでなく、子ども同士の外出時の注意点なども分かり易くまとめられていて、GOOD!です。一般公開・ダウンロード配布もされています(内閣サイバーセキュリティセンター配布PDF「ポケモントレーナーのみんなへおねがい♪」


それでね。
私は、ルールやマナー違反を自分がしない、ということを子どもに教えるのと同時に、ルールやマナー違反をしている人に、どう対処するのか、ということもセットで教える必要があると思っています。

真面目でまっすぐなタイプの凸凹さんは、ルールに厳しいところもあって、他の人のルール違反が許せない、見過ごせない、という場合があります。

かく言う私も、育児面では、自己訓練の末、かなり大らかに、多少のことは大目にみて、柔軟に考えられるようになりましたが(そうならざるを得なかったのですが…^-^;)、お仕事面でこだわりの強い部分では、職人気質のガンコ親父みたいなところがあるので、どうしても譲れない、許せない、つい相手にも完璧を求めてしまう、なんてことで、結果的に完成度の高い仕事はできても、対人面ではうまくいかないことも多く、まだまだ「生きづらいな」と感じることもあります。

でもね、うちの子達には「処世術」として、現実とのつき合い方を教えています。

ルール違反、マナー違反をしている人を注意してしまうと、トラブルの原因になることもあり、特に相手が大人の場合は、本当に危ないから。

以前、学校で「タバコの副流煙による健康への被害のこと」を聞いて来た後で、長男は「タバコ吸うやつは許せない!」と憤り、コンビニの前でタバコを吸っている男性の目の前で、顔をしかめ、鼻と口を抑え、息を止めて、その人の前を走ってとおり、相手に聞こえる範囲にいる時に「ああー!タバコの煙で死ぬかと思った!」と、大きな声で言ってしまい、睨まれたことがありました。

まっすぐな性格で、空気を読んで黙っているということができず、言われたことをそのまま受け取り易い長男には、

「正しいことを言うことが、ベストとは限らない」

ということを、この社会でサバイバルするために、ひとつひとつ教えて行かなくては、と、この時思ったのです。

これ以来、学校で飲酒運転や薬物、万引きなどの犯罪や、歩きスマホなどマナーに対する啓発的なことを教えて頂く度に、

「でもね、もし、こういう人を見ても、注意しちゃダメだよ。それは警察のお仕事だからね。子どもに注意されると、それが本当のことでも、急に怒り出す大人もいるから、黙ってその人からそっと離れること」

…と、現実的な対応を教えています。

それに、どれだけ自分に正当性があって、正しいことだと主張しても、それをそのまま相手に求めてしまうと、図星を刺してしまって傷つけたり、余計に頑になったり、めんどくさい人と思われたり、恨みや反感を買ったり、理解者が減ってしまったり…と、あんまり得することはありません。(私自身は、真面目でまっすぐな人は大好きなので、うっかりそういう人と、結婚してしまいましたが…^-^;)

まあ、それでも気になってしまうから「こだわり」なのですし、「真面目」「正直」「誠実」などと、長所として見てくれる人もいます。ただ、凸凹さんの場合、自分と相手の考えの境界線があいまいだったりもするので、判断基準にラインを引いて示す、ということも大事です。うちの子達には、以前、「注意レベル表」なども作りました。


「注意レベル表」ダウンロードはこちらのHPより


(私も、お仕事や社交上、判断に迷う時には、「どこまでがOKで、どこからNGですか」というライン引きをお願いすることもあります。ただし、聞く相手によってこのラインも違うので、混乱してしまうこともあります)

世の中は、どんな人にも共通の、法律やルールやマナーや、正確に動く信号機があって守られているから、生活の最低限の安全が確保できる反面、
多少のグレーで曖昧な部分や、見て見ぬフリや、暗黙の了解や、手ごころ魚ごころ水ごころがあって、人とぶつからずに、円滑に動いてもいるんですよね。

曲がったことがキライな人が、曲がったことがキライな子に、この辺の処世術を教えて行くのは、かなり難しいことではあるのですが、気になる行動をとる人がいた時に

「じゃあ、自分はどうするか、今何ができるか」

と、与えられた現実の中で、自分のできることを考えて行くしかないのかな、と思っています。

とりあえず、歩きスマホをしている人とぶつからないよう、うちの子には、

「まず、自分が前をよく見て歩こうね。そしたら、ぶつからずに避けられるから」

と、教えています。



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